HSP気質の私とマインドフルネス
最近はHSP・HSS・HSC気質という言葉も広がり、一定数の人には敏感な気質があることが認識されるようになってきましたね。
HSPさんは、自分の気質と上手く付き合ってる方もいれば自分の気質に生きづらさを抱えてる方もいるように感じています。昔の私も『生きづらい』1人でした。そんな私の感じてきた生きづらさとマインドフルネスによって楽になったことや変化を書いてみました。あくまでも私の経験なので、HSPの方全員がこのような変化があるとは断言できません。しかし、こうして書くことで私だけじゃないんだなとか、マインドフルネスに興味を持って頂けたり、何かのヒントとなれば幸いです。
HSP気質の4つの特性
HSPには「DOES」と呼ばれる4つの特性があります。
- Depth of processing
(考え方が複雑で、深く考えてから行動する) - Overstimulation
(刺激に敏感で疲れやすい) - Empathy and emotional responsiveness
(人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい) - Sensitivity to subtleties
(あらゆる感覚がするどい)
この4つの特性があると言われています。
とても感覚的な事なので、理解を得る事もなかなか出来ず、人によっては生きづらさや、人間関係で困難を感じる方がいます。私自身は30代過ぎるまでは、かなり困難さを感じてきました。以下体験を交えながらご紹介していきます。
人間関係で傷つきやすい
HSP気質の方は他人の感情を敏感にキャッチする傾向がありますよね。
私も相手や周り方の些細な言葉や行動、仕草や雰囲気に胸を締め付け、いつも悩んでいました。
コミュニケーションを取りたいのに傷つきやすく、相手のちょっとした言葉や振る舞いでいつも心が動揺し乱れてしまうため、急に心を閉ざしたくなったり、人間関係を終わらせたくなったりしていました。
- 些細な一言に深く傷つく
- 何か指摘されると深く落ちみ引きずる
- 一度悩み始めると、とことんネガティブ思考
マインドフルネスを取り入れての変化
・些細な一言に傷ついた自分をセルフケア出来るようになった
・些細な一言に傷ついた事を素直に伝えられるようになった(親しい相手)
・その人がそういった言葉を選ぶしかない背景を思いやり、受け流せるようになった(顔見知りの等)
・落ち込む時間が短くなった・気分の切り替えが早くなった
・現実に起こっていないネガティヴな事を考えるのが減った
物理的刺激に敏感
人間関係のみならず、物理的な刺激にも敏感なHSP気質。私が苦手だったのは、眩しい蛍光灯。量販店など、眩しい店舗は滞在時間が長いと頭が痛くなってしまいます。また人混みも苦手で人混みを歩くときはいつも緊張してしまい、本当に疲れて方も首もカッチカチになります。そして柔軟剤や化学的な香り、タバコの香りも本当に苦痛で居酒屋なども帰る頃には得体の知れない怒りが込み上げてくるのです。今思えば、苦痛な環境に居続ける事を選んだ自分への怒りだったのだと思います。
また当時、頻繁に頭痛を繰り返していました。その原因の一つは化学的な香りでした。そして味覚と視覚も敏感でこの感覚で、親を困らせたものです。小さい頃から食べ物の好き嫌いが激しく、いちごのつぶつぶがアブラムシに見えて食べれなかったり、食感や味覚が本当に敏感で親からはいつもその事を指摘されて、昔はその度に胸がチクリと痛んでいました。
- 人工的にまぶしい場所が苦手
- 物音がひどく気になる時がある
- 香りに敏感
- 味覚が敏感
- 視覚が敏感
- 添加物・化学物質で体調が悪くなる
マインドフルネスを取り入れての変化
・自分の体調の変化に気づきやすくなり早めにケアができるようになった
・緊張とリラックスのオンオフがしやすくなった(頭痛も改善)
・化学的な香料は避けるようになった
・外出時など、出来るだけこまめに休息を取るようになった
・食べれないものについて指摘されても気にならなくなった
・ちょっとの物音が気にならなくなった
変化が苦手
環境の変化や自分のペースが乱れることも苦手で、急かされるような場所は本当にストレスでした。『早く』という言葉は本当に不快で、聞きたくない言葉。アルバイト先の店長が『早く!』というと、身体は一気に緊張して、思う通りに動けなくなってしまう事もありました。また環境の変化があると、シュミュレーションを頭の中で何回もしたり、ありとあらゆる不安要素や心配要素が頭をぐるぐるとして眠れなくなる事も。私はHSP気質でも外向的なHSE型でもあるので、変化自体を自分から求めてしまい、結果ぐったりと疲れ切ってしまうなんてことも。ペースが乱れると混乱してしまって感情的になってしまうときもありました。
- 自分のペースややり方が乱れると、混乱し困難を感じる
- 急かされたり見られたりすると緊張して集中できなくなる
- 環境の変化による脳疲労が起こりやすい
- 急な予定変更には心配や不安ばかりが頭に浮かぶ
- 友人との約束が急に不安になったりする
マインドフルネスを取り入れての変化
・自分のペースが乱れても、動じるが混乱しなくなった
・急かされたり、見られたりしても緊張はするが冷静にいられるようになった
・環境の変化によるシュミレーションは最小限になった
・急な予定変更にも柔軟に対応出来るようになった
・友人との時間を大切にしたいから、自分の希望(過ごしやすい飲食店やプラン)を提案するようになった
完璧主義で責任感が強い
「完璧主義・責任感」は私自身は自覚がなかったので、よけい生きづらくなっていたなぁと思う部分です。理想が高くて、まじめで責任感が強い、なんて自分では思えなかったけれど、そこには自尊心の低さがありました。私が小さい頃は、活発で自分の意見が言えて、他者と関わることに対して積極的な人や友好的な人が評価されやすい環境でした。対する私はちょっとしたことで傷ついて周りの子と自分を比べ、不満を抱えているような子供。自分は周りの評価に値しない…と自尊心が低下しやていったように思います。
この程度じゃダメだ、もっと頑張らなくては認めて貰えない、と自分に高いハードルを課し完璧にこなそうとしていました。低い自尊心をなんとかしたくて、自分の価値をどうにかして取り戻そうとしたかったのだと思います。
- 完璧に出来なければマイナスと捉える
- 少しでも失敗すると心が折れる。諦めてしまう。
- 明らかに勝ち勝負じゃなければ挑戦できない
- 完璧にやろうとして自分を追い込みすぎる
- 理想が高すぎていつまでも自分にOKが出せない
マインドフルネスを取り入れての変化
・失敗しても大丈夫と思えるようになった
・失敗や成功よりも体験を大切に思えるようになった
・追い込みすぎることに早い段階に気づ蹴るようになった
・理想としていたものが他人軸からの理想だと気づいた
・自分の理想のあり方が明確になった
自己肯定感の低さ
正直HSP関連の書籍を読むまでは自己肯定感の低さは、生育環境の影響かと思っていました。生育環境の影響ももちろんあるのですが、上記の完璧主義の結果として、自己肯定感が低くなっていたのだなぁと感じました。高い理想を自分に向けて、そうできない自分は劣悪品のような、欠陥品のようなそんな気持ちでいました。
10代の頃は特に、神経質で周りに馴染めない自分を責めてもいました。周りの友人と楽しく会話が出来ず、友人に受けれ入れて貰えない自分は「ダメな人間」という自己否定の感情がどんどん強くなっていきました。
- 周りと同じでない自分はダメ
- 周りが楽しんでいることが楽しめない自分は変という自己認識
- 自分を否定・卑下することが多い
- 自分の良さを褒められても受け入れられない
- 他人と対等な付き合い方がわからない
マインドフルネスを取り入れての変化
・自分への肯定的な感情が育った
・周りと楽しめる所を楽しめればOKと思えるようになった
・不必要に自分を否定・卑下しなくなった
・自分で自分を認められる事が増えた
・コミュニケーションがかなり楽になった
・自分に優しく寄り添えるようになった
他人の感情に影響されやすい
共感力が高いと言われているHSPさん。私も周りの人の感情を自分の事のように感じてしまうそんな自覚がありました。怒りや悲しみといったネガティブ感情に特に強く影響され、それによって感情が不安定になったり気分が落ち込んでしまったり。
- 人が悩んでいると、それを自分の悩みのように考え続けてしまう
- 人が怒られているのを見ると、自分のことのように辛くなる
- ネガティブ感情が強い人が近くにいると、落ち着かない
- 機嫌が悪い人がいるの自分がどうにかしなくてはと思ってしまう
- 悲しいニュースを聞くと深く落ち込み、頭から離れない
マインドフルネスを取り入れての変化
・自分の感情に敏感気づくようになり、相手との境界が自然とわかるようになった
・相手の悩みに親身になりながらも自分を見失わなくなった
・人が怒られているのを見るのは今でも苦痛だけど、早いうちに気分転換やセルフケアが出来るようになった
・ネガティヴな感情が強い人とは物理的に距離を取るように意識するようになった
・距離が取れない時にはこまめに休息とリフレッシュを取るようになった
・相手の機嫌が自分の責任ではないと思えるようになった
・悲しいニュースを聞いても、心の向け方を理解し切り替えられるようになった
空気を読みすぎる
「他人の感情に影響されやすい」と似ていますが、他者の顔色を敏感に察知して気を使いすぎてしまう事で疲れ果ててしまうことも。相手の感情を受け取りやすい分、先回りしてフォローしたり。この空気を読みすぎてしまうというのが、私は子育ての中で本当にクタクタになってしまったんですよね。子供の様子を察して、常に頭はフル回転。頭が休まる時間がなく毎日ぐったり。世話を焼きすぎていたなぁとも思います。また空気を読みすぎてしまって人付き合いを苦痛を感じてしまう事も多かったです。
- 子どもの空気を読みすぎて世話を焼きすぎる
- 相手が不快な思いをしていないか、いつも気になる
- 相手の感情を察し、フォローしすぎてしまう
- 人に会うのは好きなのに、気を使いすぎてクタクタになってしまう
マインドフルネスを取り入れての変化
・自分と相手の感情に境界線をひけるようになった
・自分の中でどこまでフォローするか判断できるようになった
・時にはフォローしないことが相手の為になることが理解できた
・気を遣っている自分に気づいたら、自分軸に戻れるようになった
疲れやすい
私は社会人になってから特に「疲れやすさ」を感じるようになりました。学生時代よりはるかに長い時間を人と過ごす上にプレッシャーやコミュニケーションなどが求められる事に神経はずっと緊張状態だったのだと思います。とにかく疲れやすく、仕事後は真っ直ぐ帰りたくて、急な飲みのお誘いはほとんど断っていました。寝ても疲れが取れない事も多く、長時間の睡眠や、休憩時間は同僚と話すよりも一人で目を閉じていたいと願っていましたし、そうできる環境ではそうしていました。
- 仕事中の休憩は一人でゆっくりしたい
- 同僚との会話より休息が必要
- 忙しい日が続くと、不機嫌になったり感情のコントロールが出来なくなる
- 仕事終わりや休日は、疲れ果てて何もする気が起きない
- 仕事の人間関係より休息が大事
- 家事・育児・仕事、頑張りすぎて午後4時に動けなくなる
マインドフルネスを取り入れての変化
・疲れやすさが軽減された
・自分で活動と休息のバランスが取りやすくなった
・適度に頑張れるようになった
・1日の中でも活動のオンオフが出来るようになった
・無理する事が減り、感情が安定する日が増えた
・毎日スッキリ起きられるようになった
HSPだけど外交的!?HSS型やHSE型
HSP気質といっても、そこからHSS型(high sensation seeking)やHSE型(Highly Sensitive Extroversion)という気質もあるのだとか。
HSE型の大きな特徴としては外交的で社交的なのに繊細で敏感という所。
またHSS型の場合は刺激追求型とも言われていて、HSSとHSEは似ていますが、外交的かどうかで違うようです。
・繊細なのに外交的
・刺激が多すぎると疲弊してしまう
・外交的でアクティブだが、家では静かに過ごしたい
・マルチタスクが苦手
繊細なままでも自分らしく生きられる
私の体験を振り返りながら書いてきましたが、HSPと言っても本当に人それぞれで、その気質の度合いも違い、外交的か内向的かでも印象はかなり違います。
しかし、たくさんのHSPの方とお話する中で、悩みは似ているなぁと感じています。
私がこう言った記事を書くことで、少しでもお役に立てればと願っています。
「自分ってなんだろう?」
「どんな事が苦手なんだろう?」
「具体的に何が疲れるんだろう?」
「どんなときに生きづらさを感じるのだろう?」
そういった視点で見ていくとセルフケアや緩和方法が見えてきます。
また人には人類共通の欲求があるとされています。それは『理解されたい』というもの。
長年の自分の「生きづらさ」に名前がつくだけで癒されるような感覚になった方もいるのではないでしょうか。
「生きづらさの一つは、HSPだからかも」
「私と同じように悩んでいる人が、他にもいるんだ…」
このように思えるだけでも、私は少し心が楽になりました。
日本では5人に1人がHSP。その気質の強弱はありますが、私はマインドフルネスを取り入れることで、グンと生きやすくなりました。
繊細なままでも大丈夫。
傷つきやすくても大丈夫。
自分を知ること、感情に寄り添うことで感情をコントロールしやすくなります。
ありのままの自分を大切にしながらも周りとも心地よい距離で生きていくそ具体的な心の向け方を示してくれるマインドフルネス瞑想はとてもおすすめです。
転んで怪我をしたらきれいに洗ったり、必要ならば絆創膏を貼ったり応急処置をするのに 自分の心が怪我をしたら応急処置をしないのはなぜでしょう。多くの人はその方法を知らないのです。私がそうでした。
マインドフルネスを暮らしに取り入れるようになり、 繊細なままで自分らしく生きる心地よさを感じています。
よかったらマインドフルネスをあなたの暮らしにも。
また瞑想については、さまざまな音源やアプリがありますが、経験のある方と一緒に練習するのがおすすめです。