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Eimi
マインドフルネス瞑想講師
HSP気質のマインドフルネス瞑想講師・ヨガセラピスト。繊細なままでも、伸び伸びと豊かに生きていく方法を発信しています。
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慈悲の瞑想の実践とポイント

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マインドフルネスが人間関係や仕事のパフォーマンスやwell-beingなどへの有用性が注目されるようになって来ましたね。
それに伴い『慈悲』という言葉を耳にするようになった方もいるのではないでしょうか?
『慈悲』は現代のマインドフルネスの原点である仏教では、とても重視されているものです。
脳科学の研究が進み、この「慈悲」の心を育む『慈悲の瞑想』がポジティブな感情を高め、ストレス値が低くなることや、慢性疼痛が軽減されるという効果があることがわかって来ました。
そんな慈悲の瞑想ですが、私はすんなりとこの瞑想を練習することが出来なかったのです。
そんな経験も踏まえて宗教でもなく臨床でもない、健康な人を対象とした心のトレーニングとしての慈悲の瞑想のやり方とポイントをご紹介していきます。

Contents

慈悲の瞑想のルーツ

サマタ瞑想(集中瞑想)と呼ばれる瞑想には40種類の瞑想対象があるとされています。
その中に、「四無量心」があり、それを簡便化し、現代において広く行なわれているものが慈悲の瞑想と言われているそうです。私も今回の記事を書くために、かなりの書籍を読み、いくつかの慈悲の瞑想音源を聞きましたが、瞑想の指導者のバックグランドによって言い回しや言葉の選び方も様々だなぁというのが正直な所です。
最近の慈悲の瞑想は簡略化されすぎている!と言う方もいらっしゃり、その辺りも調べた上で記して行きたいと思います。

慈悲とは?

慈悲とは「あわれみ、憐憫、慈しみ」とも言われますが、『生きとし生けるものの幸せを願う心』と言う方が分かりやすいかもしれません。この生きとし生けるものには、自分自身や大切な人、苦手な人、会ったこともない人や命ある全てのものが対象となります。

慈悲の言葉

基本的には
「〇〇が幸せでありますように」
「〇〇の悩み苦しみがなくなりますように」
「〇〇の願い事が叶えられますように」
というように願っていきます。
この言葉についても後ほど解説します。

慈悲の瞑想の基本的な流れ

慈悲の瞑想では、慈悲の言葉を繰り返し唱えていきます。
言葉に注意を集中させていく瞑想です。
まずは自分自身に慈悲の心を向けていくことから始まるのがポイントです。
そして、周りの人や生きとし生ける全ての生命に慈悲の心を広げていくのが基本的な流れとなります。

①自分自身

まず最初に自分自身に慈悲の言葉を唱えていきます。
人によっては自分自身の幸せを願うのが困難な方もいらっしゃいますね。(その方には違う方法があります)
考え方としては人に与える前に、まず自分自身を愛することが大切という考え方です。
このブログの中でも何回かお伝えしていますが、自分自身を愛せない人がどうやって他を愛せると言うのか??と言う問題に戻ります。
(ここが難しいと感じるための方のために、違う方法も記載するので最後まで読んでくださいね)

②心から大切な人

2番目はあなたが心から愛情を向けられる人や親しい人に慈悲の言葉を唱えていきます。
実在する人間である必要はなく、亡くなった方やペットなどでも良しとされています。
大切な人へは心を向けやすい方が多いのではないでしょうか。

③顔見知りの人、特に強い感情を感じない人

3番目は、よく会うコンビニの店員さんなど頻繁に顔を合わすけれど、あまり知らない人に対して慈悲の言葉を唱えていきます。その人のことを思い浮かべても、特に強い感情(ポジティブまたはネガティブ)を持たないなと思う方がいいでしょう。

④全ての生きとし生けるもの

4番目は、全ての生命に慈悲の言葉を唱えていきます。世界中の人々や、動植物、微生物も含めて、この言葉を向けていきます。全ての生きとし生けるものの中には自分自身のことも含みます。

⑤苦手な人

5番目は「この人、苦手だなぁ」と感じる人に慈悲の言葉を唱えていきます。
大嫌いな人というよりも、苦手だなぁ…くらいの方が良いかと思います。

この4番と5番は指導者によって順番が前後することもありますが、個人的には心を向けやすい順番で良いかと思います。今回はアルボムッレ・スマナサーラ氏著書の「慈悲の瞑想」を参考にしております。

⑥最後に再び全ての生命へ

最後にまた全ての生きとし生けるものへと慈悲の言葉を唱えて終えていきます。

慈悲の言葉をアレンジする

マインドフルネスの流行と共に広まっている慈悲の瞑想の言葉と伝統的な仏教の慈悲の瞑想では、使われる言葉が違います。
現代の『マインドフルネス瞑想』として広まっているものには、仏教が目指す「悟り」といった言葉が使われることはあまりありません。元々は仏教由来ではあるのですが、この方が宗教アレルギーとも言われている日本人には馴染みやすそうですよね。(ここについては書きだすと長くなるのでこの程度にしておきます)

多くの人は出家するわけではなく、現代社会の中で生きていかれる事を前提にデザインされているので、現代のマインドフルネス瞑想がより広まっているのかもしれないです。
また、よくあるのが呼吸瞑想の終わりに①と②だけを唱えるもの。
これを慈悲の瞑想としてYouTubeに出ていたりもします。(簡略化されている!というのはこのことですね。きっと)
この記事を読んでくださった方なら、『THE 慈悲の瞑想』の流れはお分かり頂けたかなと思います。

科学的に証明された慈悲の瞑想の効果

研究者の間で慈悲の瞑想を研究されたところ
・共感性の高まり
・うつ症状の改善
・感情コントロール力UP
・人間関係の改善
などの効果があったそうです。

Richie Davidsonらによる研究
慈悲の瞑想×毎日30分を2週間行ったところ、扁桃体の活性化が見られて「共感性が高まっている」事を証明。

私は最初は出来ませんでした

最後に。
この慈悲の瞑想ですが、私は最初は出来ませんでした。
自分の幸せを願う事にも違和感がありましたし、ましてや苦手な人の幸せなんて…。
マインドフルネス瞑想を取り入れる生活をしてから、この慈悲の瞑想の練習するまでには結構時間がかかりました。
慈悲の瞑想をきちんと練習しようと思えたのはセルフコンパッションを学んでから。
セルフコンパッション(自分への優しさ、思いやり)を学び、その中で以下の言葉に出会いました。

ユダヤ教の言い伝え
弟子がラビ(ユダヤ教の指導者)に尋ねる
「教えではなぜ『心の上にこれらの言葉を置きなさい』と言うのですか?これらの神聖な言葉を心の中に入れないさいと、なぜ言わないのですか?」
ラビの答え「それは私たちの心というものは閉じていて、神聖な言葉を心の中に入れることはできないからです。だから心の上に置いておくのです。いつの日か心の壁が壊れて言葉が入ってくるまでは。」

まさにその通りでした!
苦手意識を持ちながらも、練習していく中でこの言い伝えを私自身が体験することとなりました。
突然、私の心の壁が壊れて言葉が自然に入ってきたのです。
そして違和感なく、自分や苦手な人にも慈悲の心を向けられるようになったのです。
これはきっと個人差があると思います。すぐに願える人もいれば、私と同じように時間のかかる方もいるかと思います。
決して無理はなさらないでくださいね。
普段のマインドフルネス瞑想(呼吸瞑想、観察瞑想)を深められていくうちに、そろそろ慈悲の瞑想も練習してみたいな・・・そう思えたらでいいかもしれません。
それでも練習したい!!と思う方はぜひご相談くださいね。
今日もあなたが自分自身と仲良く、健やかに過ごせますように。

慈悲の瞑想 short ver 動画はこちら

慈悲の瞑想を体験してみたい方はどうぞご利用ください。
言葉はアルボムッレ・スマナサーラ氏のものを読ませていただいております。

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