HSP気質の方に多い悩み
最近では『鈍感力』という言葉が流行語大賞にノミネートされたり、『反応しない練習』という本が(ブッダは実は「超クール」という帯が印象的!)アマゾンのベストセラー、20万部のロングセラーになったりと、今まで自分だけが生きづらいのか?と思っていた人たちが、『HSP』『敏感』という概念が広がる中で、生きづらさの背景に気質が関係しているのかも?と感心が集まっているのではないかなと思っています。
5人に1人と言われるHSPは社会的にも少数派。
なかなか悩みを共有することも出来ず、一人悩んで来た方も多いのではないでしょうか。
日本では5人に1人とされているHSP気質。
この特性やその気質の強さも様々ですし、悩みの度合いも様々ですがその中でもよく聞く悩みをいくつかあげてみます。
- 些細なことにとても傷つく
- 出来事をネガティブに捉えてしまう
- 過去の出来事をいつまでも思い出して、考えが止まらない
- いつまでも過去を悔やんだり未来への不安感が強い
- 小さい頃の周囲の何気ない言動に傷つき、その古傷が度々痛む
- 自分の言動を思い返しては一人反省会をする
- 疲れやすい、疲れが取れない
HSP気質の方にマインドフルネス瞑想はとてもオススメ!
これは私自身が自分の気質ゆえに困難に感じていたことが、マインドフルネスの実践で和らいだり解消されたりという経験から書いていきます。
HSPの4つの特性「DOES」
HSPとマインドフルネスのことを説明する上で知っておきたいのがHSPさんの特性。
HSPの提唱者のアーロン博士は4つの特性「DOES」をあげています。
- D:深く考える
- O:過剰に刺激を受けやすい
- E:共感力が高く、感情の反応が強い
- S:ささいな刺激を察知する
デフォルト・モード・ネットワークという自動思考
HSPあるあるで言えば、疲れやすさ、長時間睡眠は上位に上がるのではないかなと思います。
その疲れやすさを理解する上でも知っておきたいのが、デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network/頭文字をとってDMN)という脳内の神経活動システム。
DMNは脳のアイドリングとイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
複数の脳領域で構成されるネットワークで、自動車がいつでも発進できるようエンジンを切らないでおくのと同じように、これから起こりうる出来事に備えるためさまざまな脳領域の活動を統括するのに重要な役割を果たしていると考えられています。
脳は体重の2%ほどの大きさでありながら、身体が消費する全エネルギーの20%を使う「大食漢」。
さらに驚くのは、このDMNのエネルギー消費量は、脳全体の消費エネルギーの60~80%を占めると言われているんです。
DMNは安静時や休息時に働き、意識的な反応に使われる脳エネルギーの約20倍を消費しています。
DOESの特性を持つHSPなら、このDMNという神経活動を理解することで、「どうりで疲れやすいわけだ!」とか「だから他の人よりクタクタになったのか!」と妙に納得してしまうのは私だけではないかと思います。
体を休めて、疲労回復をしているつもりでも、この脳の神経システムが休まらないと朝起きても疲労感が残っていたりすることも。
このような脳の活動を理解することで、HSPは人一倍、脳を休めることが必要だということがご理解頂けたでしょうか。
このデフォルト・モード・ネットワークという脳回路を休める一つの方法が、マインドフルネスでもあるのです。
マインドフルネスでは
マインドフルネスでは『今、この瞬間の経験に注意を向け、あれこれと思い悩む脳を休ませてあげる』ことが出来るのです。
人間が何かに向けていられる注意の量には限りがあると言われています。
「今、この瞬間」に起きていることに注意力を使うことで、マインドワンダリング(意識が目の前の課題から注意が逸れて、作業とは無関係なことを考え始めてしまうこと)を減らせるという研究結果も。
あれこれ思い悩む脳の働きがスローダウンして、脳の休息時間を作れるのです。
- 今この瞬間に心を向ける(不安や心配事は過去や未来の事)
- フル稼働の脳を強制的にお休みさせる事で脳への休息をとる
こちらの記事でもマインドフルネスの基本についてお伝えしています。

(2013年の研究 Mrazek M, et al: Mindfulness Training Improves Working Memory Capacity and GRE Performance While Reducing Mind Wandering. Psychol Sci 24(5):776chocolate-meditation-thumbnail.png1,2013.
https://doi.org/10.1177/0956797612459659)
気軽に始めるマインドフルネス
脳の神経システムを理解することで、刺激に敏感なHSPが意識的に脳の休息タイムをとることの必要性を感じて頂けたでしょうか?
非常に疲れやすいこの特性をケアするにはマインドフルネスが気軽にできて、本当におすすめです。
マインドフルネスの代表的な方法としては呼吸に意識を向けること。
呼吸にフォーカスしたマインドフルネス瞑想
*最初は一呼吸からでもOKです。
*タイマーをセットして行うのもオススメです。(最初は1分や3分などから)
もっと気軽に!日常生活のマインドフルネス!
じっと座る呼吸瞑想以外にもマインドフルネスの実践は日常の中で出来ます。
日常生活の行動に対して注意を払うことで、マインドフルネスを実践することができるのです。
歩くこと、食べること、お茶を飲むこと、手を洗うこと…その瞬間、行っている事に100%の注意を向けてみる事で、脳に休息を与えることができるんです。
- 歩くマインドフルネス
- お皿を洗うマインドフルネス
- 食べるマインドフルネス
- お茶のマインドフルネス
- お風呂のマインドフルネス
- 歯を磨くマインドフルネス
マインドフルネス瞑想を社員研修に取り入れたことで有名なGoogle社。
「search inside yourself」ではこんな風に書かれています。
『1日一呼吸でいい』
1日一呼吸でいいから、マインドフルに呼吸する時間を1週間続ける事で、その変化に気づくだろうと書かれています。
実際にHSP気質の私自身、呼吸をマインドフルに行うことで、気持ちの切り替えだったり、相手との境界線を思い出したりと日々とても助けられています。
なんだかいつも気が休まらない…そんな方はマインドフルネスを生活に取り入れてみませんか?
これを読んで下さったあなたが、少しでも楽に生きられますように。
with Love Eimi
\日常のマインドフルネスの参考に!/
